「Web」カテゴリーの記事一覧
未来のロケットエンジンは、宇宙の彼方へ到達できるか?
東京エレクトロンさまのWebマガジン『TELESCOPE magazine』に記事を寄稿しました。
宇宙ロケットの原理が生み出されてから100年あまり、その発展はとどまることを知りません。
現在研究・開発が進んでいる、ちょっと未来のロケットエンジンについて解説しました。
スペースX、「スターシップ」IFT-2の飛行試験は“成功” – 14日に次の飛行試験
米宇宙企業スペースXは2024年2月26日、昨年11月に実施した新型ロケット「スターシップ」の2度目の統合飛行試験(IFT-2)の飛行結果を発表した。
同社は、「多くの重要なマイルストーンを達成した」とし、「試験は成功」とした。また、機体が爆発した原因についても特定し、対策や改良を行ったとした。
早ければ3月14日にも、3度目の飛行試験に挑むという。
JAXAの月探査機「SLIM」、“月の夜”を越えることに成功 – 観測再開へ
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は2024年2月26日、月面に着陸した探査機「小型月着陸実証機(SLIM)」について、月の夜を越える「越夜」に成功したと発表した。
SLIMは、着陸地点が日没を迎え、太陽電池に太陽光が当たらなくなったため、1月31日から冬眠状態にあった。越夜を想定した設計にはなっていないものの、無事に眠りから覚め、運用再開を果たした。
運用チームは「さらなる観測の可能性にワクワクしています」と期待を語っている。
米民間企業が挑んだ月面着陸 – 着陸機「オデュッセウス」が紡いだ叙事詩
米国が、月面に足跡を最後に刻んだのは、1972年のアポロ計画最後のミッション「アポロ17」だった。以来、米国は月面に人間はおろか、無人の探査機すら送り込むことはなかった。
それから約半世紀、米国はついに月面に帰還した。だが、その内容も陣容も意義も、かつてとは大きく異なっていた。成し遂げたのは「イントゥイティブ・マシーンズ」というベンチャー企業であり、アポロでは主役だった米国航空宇宙局(NASA)が今回は”顧客”となり、そして人類が月へ帰還するための前哨戦となるものだったのである。
太陽系の外からやってきた恒星間天体「オウムアムア」の謎とは? | TELESCOPE magazine | 東京エレクトロン
東京エレクトロンさまのWebマガジン『TELESCOPE magazine』に記事を寄稿しました。
史上初めて観測された恒星間天体オウムアムアと、それを追いかけて探査する計画、恒星間天体を待ち構えて探査する「コメット・インターセプター」などについて解説しました。
地上と宇宙を飛び交う光が、社会課題を解決する光となる―宇宙での光技術の利活用が叶える未来とは | 東陽テクニカ | “はかる”技術で未来を創る | 東陽テクニカルマガジン
東陽テクニカさま発行の『東陽テクニカルマガジン』に記事を書きました。
東京大学生産技術研究所の横田裕輔准教授に、宇宙における光(レーザー)技術の現状や課題、また防災・減災、宇宙ごみ、情報格差といった問題の解決への期待や展望について伺いました。
ロケット・ラボ「エレクトロン」ロケット打ち上げ再開、QPS研究所の衛星を搭載
米宇宙企業ロケット・ラボは2023年12月15日、小型ロケット「エレクトロン」の打ち上げに成功した。
エレクトロンは9月に打ち上げに失敗しており、今回が失敗後初の打ち上げとなった。
ロケットには日本のベンチャー企業QPS研究所の小型地球観測衛星「ツクヨミ-I」が搭載されており、無事所定の軌道に投入された。
インドの月探査機が地球周回軌道に帰還、将来のサンプル・リターンへの布石に
インド宇宙研究機関(ISRO)は2023年12月4日、月探査機「チャンドラヤーン3」の推進モジュールを、月周回軌道から地球周回軌道へ帰還させることに成功したと発表した。
チャンドラヤーン3は月面着陸を目的としたミッションで、今年8月に着陸機と探査車が着陸に成功した。推進モジュールはもともと、それらを地球周回軌道から月周回軌道まで運ぶ役割を担っていたが、余力が生まれたことで地球周回軌道への帰還が実現した。
ISROはこの運用を通じて得られた技術やノウハウを活かし、早ければ2026年にも、月の石を地球に持ち帰るサンプル・リターン・ミッションに挑む。
スペースXの「スターシップ」が2回目の飛行試験、“来年は100回飛行”の野望
イーロン・マスク氏率いる米宇宙企業スペースXは2023年11月18日、巨大ロケット「スターシップ」の2度目の飛行試験に挑んだ。
4月の初飛行では、離昇直後から問題が相次ぎ、宇宙にすら到達できず、発射台も大きく損傷するなど、不満足な結果に終わった。しかし今回は、計画どおりとまではいかなかったものの、機体やエンジン、発射台の完成度に明らかな、そして大きな進歩が見られた。
そしていま、3度目の飛行試験の準備も始まっている。数年のうちには年間100回の飛行を行い、月・火星への飛行に挑もうとする、人類史上最大のロケットの現状に迫る。
地下に広がる巨大空間 – 人類の根源に迫る実験施設「ハイパーカミオカンデ」
美しくも険しい山々に囲まれた岐阜県飛騨市神岡町。この地に、16万光年彼方の超新星1987Aから、謎だらけの素粒子「ニュートリノ」が降り注いだのは1987年2月のことだった。その様子は、山中に造られた実験装置「カミオカンデ」で捉えられ、「ニュートリノ天文学」の幕開けとなり、その成果は2002年のノーベル物理学賞に選ばれた。
さらに2015年には、より発展した「スーパーカミオカンデ」により、ニュートリノに質量があることが突き止められ、2015年のノーベル物理学賞に選ばれている。
そしていま、ニュートリノにまつわるさらなる謎と、そして素粒子物理学が直面している最大の謎に挑むため、新たな実験装置「ハイパーカミオカンデ」の建設が進んでいる。