「Web」カテゴリーの記事一覧
月へ向け一歩前進 – NASAの巨大ロケット「SLS」、打ち上げリハーサルを完了
米国航空宇宙局(NASA)とボーイングは2022年6月24日、有人月探査を目指して開発中のロケット「スペース・ローンチ・システム(SLS)」の、打ち上げリハーサルを完了したと発表した。
これにより、初の試験飛行に向け一歩前進。打ち上げは今年8月以降に予定されている。
ブラックホール撮影はまだ先? 独立研究チームが「写ってない」研究結果を発表
2019年4月10日、国際協力プロジェクト「イベント・ホライズン・テレスコープ(EHT)」が発表した一枚の画像が世界を揺るがした。真っ暗な宇宙に浮かぶ、明るく輝くドーナツのようなリング。謎に包まれた天体「ブラックホール」の存在を直接的に示す、史上初の画像とされた。
しかし、国立天文台の三好真(みよし・まこと)助教などの研究チームは2022年6月30日、その成果に待ったをかけた。EHTの観測データを独立に解析したところ、リング状の構造が現れないことが判明。EHTチームの解析方法には間違いがあり、本来データに含まれていないはずのリング構造が現れてしまったのではと指摘している。
韓国から宇宙への道開く – 「ヌリ号」ロケット打ち上げ成功、その意義と課題
「大韓民国の領土から宇宙への道が開かれました。これは30年にわたる困難への挑戦の結果です」――。
一部始終を見守ったユン・ソンニョル(尹錫悦)大統領は、こう力強く宣言した。
韓国航空宇宙研究院(KARI)は2022年21日、新型国産ロケット「ヌリ号」の試験打ち上げに成功した。打ち上げは2回目で、成功は初めて。これにより韓国は、宇宙への自立した輸送能力を確保し、自主的な宇宙開発ができるようになった。
今後、2027年までに4回の打ち上げを行うほか、より大型のロケットの開発にも臨む。
米国の衛星を破壊せよ! ソ連のレーザー砲衛星、打ち上げから35年目の真実
いまから35年前の1987年5月15日、ソビエト連邦(ソ連)は巨大ロケット「エネールギヤ」の初打ち上げに成功した。
その側面には、黒くて長い、禍々しい形状の宇宙機が、外にむき出しの状態で搭載されていた。その名は「ポーリュス(Polyus)」。天体の極を意味する名前とは裏腹に、米国の軍事衛星をレーザー砲で迎撃することを目指し生み出されたものだった。
しかし、ポーリュスは打ち上げ直後に大気圏に再突入し、幸いにもその真価が発揮されることはなかった。そして、その運命をめぐってはいまなおさまざまな説が飛び交っている。
ポーリュスとはどんな宇宙機だったのか、そして打ち上げでいったい何が起きたのだろうか。
日本人も着られる? 有人月探査のためのNASAの新型宇宙服、米企業2社が開発へ
米国航空宇宙局(NASA)は2022年6月2日、宇宙ステーションや月面での船外活動で宇宙飛行士が着用する新しい宇宙服を開発するため、米民間企業2社と契約したと発表した。
選ばれたのはアクシアム・スペース(Axiom Space)とコリンズ・エアロスペース(Collins Aerospace)。NASAは両社が開発する宇宙服をレンタルし、国際宇宙ステーション(ISS)やその後継機での船外活動や、有人月探査計画「アルテミス」で使用する。日本人宇宙飛行士もこの宇宙服を着用し、月面を歩く日が来るかもしれない。
中国、「神舟十四号」宇宙船の打ち上げ成功 – 独自の宇宙ステーション完成へ
中国有人宇宙飛行工程弁公室は2022年6月5日、3人の宇宙飛行士を乗せた「神舟十四号」宇宙船を打ち上げた。
宇宙船は約7時間後に、中国が建設中の「中国宇宙ステーション(CSS)」とのドッキングに成功。宇宙飛行士はこれから約半年間滞在し、CSSの完成という重大なミッションに挑む。そして、そのために神舟十四号にも特別な装備が施されている。
【連載】天の川銀河中心の巨大ブラックホール「いて座A*」撮影成功、その全貌と意義
国際研究チーム「イベント・ホライズン・テレスコープ(EHT)・コラボレーション」は2022年月12日、天の川銀河の中心にある巨大ブラックホール「いて座A*(エースター)」の撮影に初めて成功したと発表した。
これまで、天の川銀河の中心に巨大ブラックホールが存在することは、間接的な証拠から示唆されていたが、視覚的かつ直接的な証拠が得られたのはこれが初めて。さらに、アインシュタインが一般相対性理論で予言したブラックホールの姿かたちとも一致しており、彼の理論の正しさがあらためて証明された。
観測にあたっては、国立天文台をはじめ、日本の機関や大学、研究者も大きな貢献を果たし、とくに若手研究者の英知と努力が光った。しかし、この大成果の影には、ブラックホールほども暗い現実も存在する。
苦難乗り越え – ボーイングの「スターライナー」宇宙船、無人飛行試験に成功
米航空宇宙メーカーのボーイングは2022年5月26日、新型有人宇宙船「スターライナー(Starliner)」の無人飛行試験「OFT-2」に成功した。
5月20日の打ち上げ後、軌道上での運用や国際宇宙ステーション(ISS)とのドッキングなどを実証し、26日に地球へ帰還。計画していたすべての試験項目を達成したという。
スターライナーは2019年にも無人飛行試験を行ったが、トラブルが相次ぎ事実上失敗。今回無事にリベンジを果たし、有人での飛行試験に向けたすきをつないだ。
北海道大樹町に広がる宇宙の渚 – インターステラテクノロジズ探訪記
北海道の宇宙企業「インターステラテクノロジズ(IST)」は2022年4月27日、開発中の超小型衛星打ち上げロケット「ZERO」のエンジンに使うターボポンプについて、ポンプ部分の性能を確かめるための試験を実施した。
参考:ISTの新型ロケット「ZERO」の鼓動が聞こえた! 心臓部ターボポンプの試験成功
それに合わせ、同社はロケットを開発、製造する工場や、打ち上げを行う射場を公開した。
2019年、日本の民間企業が開発したロケットとして初めて宇宙空間に到達するという快挙を打ち立て、現在は超小型衛星打ち上げロケットも開発するIST。その歴史が生まれ、いまなお作られ続けている場所、そしてISTが拠点を構える北海道大樹町という「宇宙の渚」は、いったいどんなところなのだろうか。
超小型衛星×AI×IoT=∞ パイオニアが語るその未来
東京エレクトロンさんのWebマガジン『Telescope Magazine』に、東京大学の中須賀真一教授へのインタヴュー記事を書きました。
超小型衛星とAI(人工知能)、IoT(モノのインターネット)を組み合わせた研究や、その将来の展望や課題、そして研究室での教育方針、人生訓などについてインタヴューしました。
また、中須賀・船瀬研究室で学ぶ学生さんや、ベンチャーを立ち上げた社会人学生の方にもお話を伺いました。