精度100mの月面着陸を目指せ! JAXAの月探査機「SLIM」の技術にシビれた!
アポロ計画に代表されるように、これまで人類は、月にさまざまな探査機を送り込んできた。そしていま、有人月探査計画「アルテミス」をはじめ、月探査がふたたび活発になろうとしている。
こうした中、月の科学者は嬉しくも悩ましい課題に直面している。これまでの探査で、月面の詳細な地図ができ、「どこを調べれば科学的におもしろいのか」が詳しくわかるようになった一方で、その場所を狙って正確に着陸する術がなかったのである。
この課題を解決するため、宇宙航空研究開発機構(JAXA)は小型月着陸実証機「SLIM(スリム)」を開発した。SLIMが目指すのは、精度100mという、従来とは桁違いの高い精度での着陸技術の実証である。さらに将来の月・惑星探査を見据え、着陸に必要な装置の軽量化も実現した。
打ち上げは2023年8月以降の予定で、それに先立つ6月4日、その機体が種子島宇宙センターで報道公開された。名前のとおりスリムな機体に秘められた、数々の最先端技術と未来の可能性をみていこう。