「Web」カテゴリーの記事一覧
日本人も着られる? 有人月探査のためのNASAの新型宇宙服、米企業2社が開発へ
米国航空宇宙局(NASA)は2022年6月2日、宇宙ステーションや月面での船外活動で宇宙飛行士が着用する新しい宇宙服を開発するため、米民間企業2社と契約したと発表した。
選ばれたのはアクシアム・スペース(Axiom Space)とコリンズ・エアロスペース(Collins Aerospace)。NASAは両社が開発する宇宙服をレンタルし、国際宇宙ステーション(ISS)やその後継機での船外活動や、有人月探査計画「アルテミス」で使用する。日本人宇宙飛行士もこの宇宙服を着用し、月面を歩く日が来るかもしれない。
中国、「神舟十四号」宇宙船の打ち上げ成功 – 独自の宇宙ステーション完成へ
中国有人宇宙飛行工程弁公室は2022年6月5日、3人の宇宙飛行士を乗せた「神舟十四号」宇宙船を打ち上げた。
宇宙船は約7時間後に、中国が建設中の「中国宇宙ステーション(CSS)」とのドッキングに成功。宇宙飛行士はこれから約半年間滞在し、CSSの完成という重大なミッションに挑む。そして、そのために神舟十四号にも特別な装備が施されている。
【連載】天の川銀河中心の巨大ブラックホール「いて座A*」撮影成功、その全貌と意義
国際研究チーム「イベント・ホライズン・テレスコープ(EHT)・コラボレーション」は2022年月12日、天の川銀河の中心にある巨大ブラックホール「いて座A*(エースター)」の撮影に初めて成功したと発表した。
これまで、天の川銀河の中心に巨大ブラックホールが存在することは、間接的な証拠から示唆されていたが、視覚的かつ直接的な証拠が得られたのはこれが初めて。さらに、アインシュタインが一般相対性理論で予言したブラックホールの姿かたちとも一致しており、彼の理論の正しさがあらためて証明された。
観測にあたっては、国立天文台をはじめ、日本の機関や大学、研究者も大きな貢献を果たし、とくに若手研究者の英知と努力が光った。しかし、この大成果の影には、ブラックホールほども暗い現実も存在する。
苦難乗り越え – ボーイングの「スターライナー」宇宙船、無人飛行試験に成功
米航空宇宙メーカーのボーイングは2022年5月26日、新型有人宇宙船「スターライナー(Starliner)」の無人飛行試験「OFT-2」に成功した。
5月20日の打ち上げ後、軌道上での運用や国際宇宙ステーション(ISS)とのドッキングなどを実証し、26日に地球へ帰還。計画していたすべての試験項目を達成したという。
スターライナーは2019年にも無人飛行試験を行ったが、トラブルが相次ぎ事実上失敗。今回無事にリベンジを果たし、有人での飛行試験に向けたすきをつないだ。
北海道大樹町に広がる宇宙の渚 – インターステラテクノロジズ探訪記
北海道の宇宙企業「インターステラテクノロジズ(IST)」は2022年4月27日、開発中の超小型衛星打ち上げロケット「ZERO」のエンジンに使うターボポンプについて、ポンプ部分の性能を確かめるための試験を実施した。
参考:ISTの新型ロケット「ZERO」の鼓動が聞こえた! 心臓部ターボポンプの試験成功
それに合わせ、同社はロケットを開発、製造する工場や、打ち上げを行う射場を公開した。
2019年、日本の民間企業が開発したロケットとして初めて宇宙空間に到達するという快挙を打ち立て、現在は超小型衛星打ち上げロケットも開発するIST。その歴史が生まれ、いまなお作られ続けている場所、そしてISTが拠点を構える北海道大樹町という「宇宙の渚」は、いったいどんなところなのだろうか。
超小型衛星×AI×IoT=∞ パイオニアが語るその未来
東京エレクトロンさんのWebマガジン『Telescope Magazine』に、東京大学の中須賀真一教授へのインタヴュー記事を書きました。
超小型衛星とAI(人工知能)、IoT(モノのインターネット)を組み合わせた研究や、その将来の展望や課題、そして研究室での教育方針、人生訓などについてインタヴューしました。
また、中須賀・船瀬研究室で学ぶ学生さんや、ベンチャーを立ち上げた社会人学生の方にもお話を伺いました。
ISTの新型ロケット「ZERO」の鼓動が聞こえた! 心臓部ターボポンプの試験成功

北海道大樹町の宇宙企業「インターステラテクノロジズ(IST)」は2022年4月27日、開発中の超小型衛星打ち上げロケット「ZERO」のターボポンプの水流し試験を実施、その模様を報道陣に公開した。
ターボポンプはロケットの心臓部にも例えられる重要な部品のひとつ。試験は無事に成功し、必要なデータを取得。2023年度の初打ち上げに向け、今年から多くの試験が始まろうとしている。
中国「神舟十三号」宇宙船が地球に帰還、半年の宇宙ステーション滞在を完遂
中国の宇宙船「神舟十三号」が2022年4月16日、3人の宇宙飛行士を乗せ、地球への帰還に成功した。
3人は昨年10月に打ち上げられ、建設中の「中国宇宙ステーション(CSS)」へ飛行。中国にとって最長となる半年間の長期滞在ミッションをこなした。
今後、CSSの増築のほか、6人体制での滞在なども計画。中国の有人宇宙計画は順調な歩みをみせている。
「国際宇宙ステーションが落ちるぞ」と脅すロシア、その真意と今後の展望
2022年2月24日から始まったロシアのウクライナ侵攻は、いまなお終わりが見えない厳しい状況が続いている。
その影響は宇宙開発にもおよび、ロシアと欧米諸国が共同で進めていたさまざまな宇宙計画が中断や一時停止となっている。
そんな中、米ロが中心となって運用している国際宇宙ステーション(ISS)の行く末も不透明となっている。ロシア宇宙開発のトップを務めるドミトリー・ロゴージン氏は、ISSからの撤退を匂わすなど挑発。一方、仮にロシアが撤退しても、米国や日本などのみで運用が続けられる体制も整いつつある。
はたして、ロゴージン氏の挑発はどこまで本気なのか。そして、ISSの今後はどうなるのだろうか。
史上初「民間宇宙飛行士」が宇宙ステーションへ – 宇宙飛行の新時代の幕開け
史上初となる国際宇宙ステーション(ISS)への民間宇宙飛行ミッション「Ax-1」が、2022年4月9日から始まった。
米宇宙企業アクシアム・スペースが企画したもので、4人の「民間宇宙飛行士」が参加。スペースXの宇宙船クルー・ドラゴンでISSを訪れ、約8日間滞在し、実験や研究を行う。
ISSへの宇宙旅行はこれまでも行われてきたが、今回は民間主導による、民間宇宙飛行士のミッションという点で一線を画する。そして、将来の宇宙ステーションの商業化という目標に向けた大きな一歩ともなるものである。