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ロシア、欧州の「ソユーズ」ロケット打ち上げを中断 – 欧州の宇宙開発に打撃
欧州のロケット運用会社アリアンスペースは2022年3月4日、ロシアと共同で運用していた「ソユーズ」ロケットの打ち上げを中断すると発表した。
欧州はこれまで、ロシアと協力し、ソユーズを使って欧州の衛星などを打ち上げてきた。しかし、ロシアのウクライナ侵攻にともなう制裁措置に反発し、ロシア側が打ち上げの中断を一方的に決定。運用ができなくなった。
アリアンスペースは今回の事態を「大きな危機」とし、「現在の状況が引き起こす影響をできる限り正確に評価するとともに、必要な解決案を見いだす」としている。
世界最大の航空機「An-225」、ロシアが破壊か? その数奇な歴史と今後の影響
ロシアによるウクライナへの軍事侵攻のなか、ウクライナのクレバ外務大臣は2022年2月27日、世界最大の航空機のひとつであるアントーノウAn-225「ムリーヤ」が、ロシアによって破壊された可能性があると発表した。
同機を運用するアントーノウなどは「専門家による調査を行うまで、機体の状態について発表できない」とし、断定を避けた。
An-225はその大きな輸送能力で、規格外の貨物や、大量の救援物資の輸送などで活躍。機体の状態や修理の可否によっては、今後の世界の物流などに影響が出る可能性もある。
スペースXのインターネット衛星「スターリンク」約40機、磁気嵐の影響で喪失
米宇宙企業スペースXは2022年2月8日、4日に打ち上げたインターネット衛星「スターリンク」49機のうち、約40機を喪失することになったと発表した。
打ち上げ直後で低い高度の軌道を周回していたところ、磁気嵐の影響で地球が暖められ膨張。衛星が周回していた高度の大気密度が上昇し、大気との抵抗によって大気圏に再突入してしまうためだという。
すでに一部の衛星は再突入しており、今後数日のうちにさらに多くの衛星が再突入するとしている。衛星は再突入時に燃え尽きるように設計されているため、軌道上に破片は発生せず、衛星の部品が地上に落下することもないとしている。
イーロン・マスクが「常識外れ」と語った、宇宙船「スターシップ」の開発
イーロン・マスク氏の宇宙企業、スペースXが開発中の巨大宇宙船「スターシップ」。火星移民を目指す、現代のノアの船である。
これまで高度約10kmまで飛行して着陸する試験が行われたのみだが、打ち上げに使うブースターの「スーパー・ヘヴィ」や、発射と着陸に使う施設などの開発も進み、宇宙へ飛び立つ日が着々と近づいている。
2022年2月11日、マスク氏はその開発の最新状況について明らかにした。はたしてスターシップはいつ打ち上げられるのか。そして人類は、いつ火星の大地を踏みしめることになるのだろうか。
国際宇宙ステーション、2030年まで運用へ – 廃棄処分と後継機はどうなる?
地球の上空約400kmを回る国際宇宙ステーション(ISS)。つねに約7人の宇宙飛行士が滞在し、地球や天体の観測、宇宙環境を利用した実験や研究などを行っている。
そんなISSも、建設開始からまもなく四半世紀を迎え、老朽化が進んでいる。その一方で、民間による地球低軌道における活動が活発になりつつある。
こうした事情を背景に、米国のバイデン政権は2021年12月31日、ISSを2030年まで運用する計画を発表。それを受け米国航空宇宙局(NASA)は2022年2月1日、2030年までのISSの運用と、その後の解体処分、そして民間による新たな宇宙ステーションの計画について明らかにした。
火星の水、20億年前まであった? これまでの推定より約10億年長く – Caltech
カリフォルニア工科大学の研究者たちは2022年1月26日、火星探査機の観測データから、20億年前の火星に水があった証拠を発見したと発表した。
これまで、火星の水は約30億年前に蒸発したと考えられてきたが、それよりも約10億年長く存在し続けていたことになる。火星の水や、過去に生存していたかもしれない生物をめぐる謎に、新たな疑問を投げかけることになった。
成果をまとめた論文は、『AGU Advances』誌に掲載された。
『スター・トレック』生みの親の遺灰、「ヴァルカン」ロケットで宇宙へ
宇宙葬を手掛ける米国の民間企業「セレスティス(Celestis)」は2022年1月26日、『スター・トレック』の生みの親ジーン・ロッデンベリー氏らの遺灰を、ユナイテッド・ローンチ・アライアンス(ULA)が開発中のロケット「ヴァルカン」で打ち上げると発表した。
ミッション名は「エンタープライズ」で、打ち上げは今年後半の予定。同社は「『ヴァルカン』という名前のロケットで、この歴史的なミッションを行うことを楽しみにしています」と語る。
恒星間天体「オウムアムア」を追いかけて探査する「プロジェクト・ライラ」
2017年、史上初めて発見された恒星間天体「オウムアムア(‘Oumuamua)」。太陽系の外から突如やってきた来訪者に、天文学界は大きく沸き立った。
発見された時点で、オウムアムアは地球から遠く離れた場所にあり、さらに遠ざかっていたため、いったいどんな天体なのかはほとんどわかっていない。
その謎を解き明かすため、英国の非営利団体「Initiative for Interstellar Studies (i4is)」は、オウムアムアを追いかけて探査する計画「プロジェクト・ライラ(Project Lyra)」を提案している。
ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡、目的地に到着 – 観測に向けた準備が本格化
米国航空宇宙局(NASA)などは2022年1月25日、昨年末に打ち上げたジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)が、観測を行う太陽・地球系のラグランジュ点L2を回る軌道に到着したと発表した。
JWSTは今後、約3か月かけて望遠鏡を調整。今春にも最初の画像を撮影する“ファースト・ライト”を行い、科学運用に入る予定となっている。
【連載】世界中の天文学者が酔いしれる「ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡」のすべて
米国航空宇宙局(NASA)などは2021年12月25日、「ジェームズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)」を打ち上げた。
JWSTは、宇宙初期に生まれた星や銀河の光や、太陽系内にある天体、さらに太陽系外にある惑星まで、宇宙のあらゆる時代や姿を探索することができ、数多くの新しい発見をもたらすと期待されている。