「マイナビニュース」カテゴリーの記事一覧
【連載】天の川銀河中心の巨大ブラックホール「いて座A*」撮影成功、その全貌と意義
国際研究チーム「イベント・ホライズン・テレスコープ(EHT)・コラボレーション」は2022年月12日、天の川銀河の中心にある巨大ブラックホール「いて座A*(エースター)」の撮影に初めて成功したと発表した。
これまで、天の川銀河の中心に巨大ブラックホールが存在することは、間接的な証拠から示唆されていたが、視覚的かつ直接的な証拠が得られたのはこれが初めて。さらに、アインシュタインが一般相対性理論で予言したブラックホールの姿かたちとも一致しており、彼の理論の正しさがあらためて証明された。
観測にあたっては、国立天文台をはじめ、日本の機関や大学、研究者も大きな貢献を果たし、とくに若手研究者の英知と努力が光った。しかし、この大成果の影には、ブラックホールほども暗い現実も存在する。
苦難乗り越え – ボーイングの「スターライナー」宇宙船、無人飛行試験に成功
米航空宇宙メーカーのボーイングは2022年5月26日、新型有人宇宙船「スターライナー(Starliner)」の無人飛行試験「OFT-2」に成功した。
5月20日の打ち上げ後、軌道上での運用や国際宇宙ステーション(ISS)とのドッキングなどを実証し、26日に地球へ帰還。計画していたすべての試験項目を達成したという。
スターライナーは2019年にも無人飛行試験を行ったが、トラブルが相次ぎ事実上失敗。今回無事にリベンジを果たし、有人での飛行試験に向けたすきをつないだ。
北海道大樹町に広がる宇宙の渚 – インターステラテクノロジズ探訪記
北海道の宇宙企業「インターステラテクノロジズ(IST)」は2022年4月27日、開発中の超小型衛星打ち上げロケット「ZERO」のエンジンに使うターボポンプについて、ポンプ部分の性能を確かめるための試験を実施した。
参考:ISTの新型ロケット「ZERO」の鼓動が聞こえた! 心臓部ターボポンプの試験成功
それに合わせ、同社はロケットを開発、製造する工場や、打ち上げを行う射場を公開した。
2019年、日本の民間企業が開発したロケットとして初めて宇宙空間に到達するという快挙を打ち立て、現在は超小型衛星打ち上げロケットも開発するIST。その歴史が生まれ、いまなお作られ続けている場所、そしてISTが拠点を構える北海道大樹町という「宇宙の渚」は、いったいどんなところなのだろうか。
ISTの新型ロケット「ZERO」の鼓動が聞こえた! 心臓部ターボポンプの試験成功

北海道大樹町の宇宙企業「インターステラテクノロジズ(IST)」は2022年4月27日、開発中の超小型衛星打ち上げロケット「ZERO」のターボポンプの水流し試験を実施、その模様を報道陣に公開した。
ターボポンプはロケットの心臓部にも例えられる重要な部品のひとつ。試験は無事に成功し、必要なデータを取得。2023年度の初打ち上げに向け、今年から多くの試験が始まろうとしている。
中国「神舟十三号」宇宙船が地球に帰還、半年の宇宙ステーション滞在を完遂
中国の宇宙船「神舟十三号」が2022年4月16日、3人の宇宙飛行士を乗せ、地球への帰還に成功した。
3人は昨年10月に打ち上げられ、建設中の「中国宇宙ステーション(CSS)」へ飛行。中国にとって最長となる半年間の長期滞在ミッションをこなした。
今後、CSSの増築のほか、6人体制での滞在なども計画。中国の有人宇宙計画は順調な歩みをみせている。
「国際宇宙ステーションが落ちるぞ」と脅すロシア、その真意と今後の展望
2022年2月24日から始まったロシアのウクライナ侵攻は、いまなお終わりが見えない厳しい状況が続いている。
その影響は宇宙開発にもおよび、ロシアと欧米諸国が共同で進めていたさまざまな宇宙計画が中断や一時停止となっている。
そんな中、米ロが中心となって運用している国際宇宙ステーション(ISS)の行く末も不透明となっている。ロシア宇宙開発のトップを務めるドミトリー・ロゴージン氏は、ISSからの撤退を匂わすなど挑発。一方、仮にロシアが撤退しても、米国や日本などのみで運用が続けられる体制も整いつつある。
はたして、ロゴージン氏の挑発はどこまで本気なのか。そして、ISSの今後はどうなるのだろうか。
史上初「民間宇宙飛行士」が宇宙ステーションへ – 宇宙飛行の新時代の幕開け
史上初となる国際宇宙ステーション(ISS)への民間宇宙飛行ミッション「Ax-1」が、2022年4月9日から始まった。
米宇宙企業アクシアム・スペースが企画したもので、4人の「民間宇宙飛行士」が参加。スペースXの宇宙船クルー・ドラゴンでISSを訪れ、約8日間滞在し、実験や研究を行う。
ISSへの宇宙旅行はこれまでも行われてきたが、今回は民間主導による、民間宇宙飛行士のミッションという点で一線を画する。そして、将来の宇宙ステーションの商業化という目標に向けた大きな一歩ともなるものである。
ロシアのロケット使用不可、苦境のワンウェブにイーロン・マスクが助け舟
ロシアによるウクライナ侵攻の影響で、衛星の打ち上げができなくなった英国の衛星インターネット事業者「ワンウェブ」は2022年3月21日、打ち上げ再開のため、米国の「スペースX」と契約を締結したと発表した。
同社とスペースXは競合関係にあり、救いの手が差し伸べられたことに驚きの声があがる一方、スペースXのイーロン・マスク氏は「たとえ競合他社でも、正しい行動をとる」と語り、度量の大きさを見せつけた。
現在、打ち上げ成功率が高く信頼性があり、そして発注してすぐに打ち上げが可能な大型の商業ロケットは、実質的にファルコン9しかなく、スペースX一強・一択ともいえる状況になった。しかし、その裏には大きなリスクも潜む。
スペースXのクルー・ドラゴン宇宙船4番機、名前は「フリーダム」に
米国航空宇宙局(NASA)は2022年3月24日、クルー・ドラゴン宇宙船の4番機を「フリーダム(Freedom)」と命名したと発表した。
名前を考案し、同機の初飛行にも搭乗するチェル・リングリン宇宙飛行士は「基本的人権と、誰にも妨げられない人間の精神から生み出される産業とイノベーションを称えたもの」と命名理由を説明。
初飛行は4月20日に予定されている。
ロシア人宇宙飛行士が国際宇宙ステーションに到着、ウクライナ色の服を着用?
ロシアによるウクライナへの侵攻が続く中、ロシア国営宇宙企業ロスコスモスは2022年3月19日、3人のロシア人宇宙飛行士を乗せた「ソユーズMS-21」宇宙船を打ち上げた。
宇宙船は約3時間後に国際宇宙ステーション(ISS)に到着、3人は米国や欧州の宇宙飛行士と合流した。一方、3人がウクライナの国旗の色と同じ、黄色と青の服を着用していることが話題となっている。