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2000万ドルの小さなミッションで宇宙の大きな謎に迫る、NASAの新計画が始動
米国航空宇宙局(NASA)は2021年1月8日、小規模なミッションで宇宙を探索することを目指した新しい計画「パイオニアーズ(Pioneers)」について、4つの宇宙物理学ミッションのコンセプトを選択したと発表した。
選ばれたのは、銀河の進化や太陽系外惑星、中性子星の合体、超高エネルギー・ニュートリノなどを観測、研究するミッション。
それぞれに与えられる予算はわずか2000万ドルで、少ない予算の中、小型衛星や気球、既存の技術や部品などを駆使し、宇宙にまつわる大きな謎に迫る。
米国でアポロ計画の史跡を守る法律が制定、大きな一歩を守る小さな一歩に
米国で2020年12月31日、アポロ計画で人類が月面に降り立った遺産、遺構などを保存することを定めた、「ワン・スモール・ステップ・トゥ・プロテクト・ヒューマン・ヘリテージ・イン・スペース」法が制定された。
月面にはいまもアポロ計画で使われた宇宙船の一部や観測機器、そして宇宙飛行士の足跡などが残っている一方、米国航空宇宙局(NASA)や民間企業などが、新たに有人月探査を行う計画を進めている。この法律は、そうした新たな月での活動から、人類が月に刻み込んだ史跡を守ることを目的としている。
究極の謎! NASAが宇宙の始まりや生命の起源を調べる宇宙望遠鏡を開発へ
米国航空宇宙局(NASA)・ジェット推進研究所(JPL)は2021年1月5日、開発中の宇宙望遠鏡「SPHEREx」について、本格的な設計、製造段階に入ったと発表した。
打ち上げは2024年6月以降の予定で、近赤外光を使って全天を観測し、宇宙が誕生した直後の急速な膨張の謎や、銀河形成の謎、生まれたばかりの惑星系に水や有機分子がどのように含まれているのか、そして生命はどのようにして誕生したのかなどについて解明することを目指す。
月刊『軍事研究』2021年2月号
月刊『軍事研究』2021年2月号(1月9日発売、ジャパン・ミリタリー・レビュー)に、「遂に完成!中国版GPS『北斗』」という記事を寄稿しました。
昨年6月に完成した、中国独自の全地球衛星測位システム「北斗」をテーマに、衛星測位システムそのものの概要から、北斗の概要と目的、中国の狙い、展望、そして日本の衛星測位システム「みちびき」が取るべき対抗策などについて書きました。
ぜひお手に取ってご覧いただけますと幸いです。
NASA、新たに2つの太陽圏物理学ミッションを実施へ – 日本との共同計画も
米国航空宇宙局(NASA)は2020年12月30日、太陽や地球周辺の宇宙天気を探査する、2つの新しい太陽圏物理学ミッションを実施すると発表した。
ひとつは太陽を観測する日本との共同ミッション「Solar-C_EUVST」、もうひとつは3機の超小型衛星でオーロラ・ジェット電流の観測を行う「EZIE(Electrojet Zeeman Imaging Explorer)」。
これらの観測によって、太陽風や太陽フレアやコロナ質量放出といった太陽での爆発現象について理解するとともに、こうした現象による衛星や宇宙飛行士への悪影響を防ぐため、より正確な「宇宙天気予報」の実現を目指す。
米国、宇宙探査に原子力を本格活用、原子炉発電と原子力ロケットを開発へ
米国のドナルド・トランプ大統領は2020年12月16日、宇宙における原子力の活用を促進することを定めた国家戦略「宇宙政策指令第6号(SPD-6:Space Policy Directive-6)」を発表した。
将来の有人月・火星探査での活用を見据えたもので、これまでも宇宙探査の分野で使われてきた放射性同位体を使った発電システムを高度化するとともに、新たに原子炉を使った発電や原子力ロケットも実用化するという。
月刊『潮』2021年2月号
月刊『潮』2021年2月号(潮出版社、1月5日発売)に、「民間の力で宇宙へ!イーロン・マスクの飽くなき挑戦。」記事を寄稿しました。
野口聡一宇宙飛行士が乗った「クルー・ドラゴン」宇宙船の話を中心に、スペースXのこれまでの歩みや、民間主導の宇宙開発が行われた経緯や意義、そして火星への移住など将来の展望について書きました。
ぜひお手に取ってご覧いただけますと幸いです。
地球外知的生命体探査(SETI)は新たな段階へ! 「SETI@home」の現状と今後
地球外知的生命体探査(SETI)プロジェクト「SETI@home」の運用チームは2020年12月24日、SETI@homeの現状や今後の計画、展望について発表した。
約20年間にわたって行われてきた、地球外知的生命体からの信号を探す解析作業は、現在その最終段階に入り、有意な信号を識別するためのシステムの開発が進行中。さらに、中国が保有する世界最大の電波望遠鏡や、まったく新しい観測装置を使った、新しいSETIプロジェクトも始める予定だという。
宇宙人からの信号か? プロキシマ・ケンタウリから謎の電波が到来
地球外生命体を探索しているブレイクスルー・リッスンとSETI研究所は2020年12月19日、太陽系に最も近い恒星である「プロキシマ・ケンタウリ」の方向から、謎の電波を検出したと発表した。
宇宙人からの信号と確認されたわけではないが、自然では考えにくい周波数であること、またプロキシマ・ケンタウリには液体の水をもつ系外惑星が存在する可能性があることなどから、科学者たちは注意深く分析を続けている。
中国、新型ロケット「長征八号」を打上げ – 継ぎ接ぎの機体に隠された秘密
中国の国営宇宙企業である中国運載火箭技術研究院は、2020年12月22日13時37分(日本時間)、海南島にある文昌航天発射場から、新型ロケット「長征八号」の初打ち上げに成功した。
長征八号は、既存の「長征七号」や「長征三号」ロケットの部品を組み合わせ、これまで中国のロケットが抱えていた打ち上げ能力のギャップを解消することを目的としている。
しかし、単なる“継ぎ接ぎ”ロケットではなく、そこには未来へ向けた大きな秘密が隠されている。