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『週刊エコノミスト』2月14日号
2月6日発売の『週刊エコノミスト』2月14日号に、「2023年の日本の宇宙開発」をテーマにした記事を寄稿しました。
初打ち上げが近づくH3ロケットの展望、超小型ロケットの開発、地球観測や月探査に挑むベンチャーの動きなどについて解説しています。
宇宙飛行に革命を! NASAが「回転デトネーション・エンジン」の試験に成功
米国航空宇宙局(NASA)は2023年1月26日、従来のロケットエンジンとは異なる仕組みで動く「回転デトネーション・ロケットエンジン」の燃焼試験に成功したと発表した。
このエンジンは「デトネーション(爆轟)」と呼ばれる超音速燃焼現象を使用して推力を生み出すという仕組みで、従来のロケットエンジンより少ない推進剤でより多くのエネルギーを生み出すことができ、月や火星などの深宇宙への有人飛行や探査機の飛行に大いに役立つ可能性を秘めている。
小惑星「2023 BU」が地球から3600kmを通過、史上最も接近した天体のひとつに
2023年1月27日(日本時間)、約1週間前に発見されたばかりの小惑星「2023 BU」が、地球から約3600kmというきわめて近い距離を通過した。
衝突する危険性がないことは事前にわかっていたものの、これまでに観測された中で、地球に最も接近した天体のひとつとなった。
2つの大きなスペース・デブリ、あわや衝突 – 混雑する低軌道、求められる対応
軌道上の物体を監視している民間企業「レオラボズ(LeoLabs)」は2023年1月28日、地球低軌道において、運用を終えスペース・デブリ(宇宙ごみ)となったロケット機体と人工衛星が、約6mの距離にまで接近、ニアミスしたと発表した。
万が一衝突していれば、数千個もの新たなデブリが発生していた可能性があり、「最悪のシナリオ」になる一歩手前だったという。
近年、地球低軌道は混雑の一途を辿っており、今後同様の事態が発生する可能性が増していくことが懸念されている。
NASAとDARPA、核熱ロケットエンジンを宇宙で実証へ – 火星有人探査に向け
米国航空宇宙局(NASA)と国防高等研究計画局(DARPA)は2023年1月25日、「核熱ロケットエンジン」を共同で開発し、早ければ2027年にも宇宙での実証試験を行うと発表した。
核熱ロケットは原子力ロケットのひとつで、従来のロケットエンジンよりも2~5倍効率が良く、実現すれば、有人火星探査の飛行時間の短縮や宇宙飛行士のリスク軽減に役立つと期待されている。
スペースXの巨大ロケット「スターシップ」、打ち上げに向けたリハーサルに成功
米宇宙企業スペースXは2022年1月24日、開発中の巨大ロケット「スターシップ」の打ち上げに向けた、「ウェット・ドレス・リハーサル」を完了したと明らかにした。
試験では、1段目のスーパー・ヘヴィと2段目のスターシップの両方に、推進剤の液化メタンと液体水素を充填。エンジンには点火されなかったものの、打ち上げカウントダウンのシーケンスの確認や、発射台の性能の検証などを行ったという。
今後、スーパー・ヘヴィの地上燃焼試験などを経て、軌道への試験飛行に向けた準備が進むことになる。
情報収集衛星「レーダー7号機」を搭載したH-IIAロケット46号機が打ち上げに成功
三菱重工業(MHI)は2023年1月26日、政府の情報収集衛星「レーダー7号機」を搭載したH-IIAロケット46号機の打ち上げに成功した。
H-IIAの打ち上げ成功率は約97.8%の高い水準を維持。2月には後継機「H3」ロケットの初打ち上げが控える。
レーダー7号機は従来に比べ、画質、俊敏性、即時性といった性能が向上。また、地球上のあらゆる地点を1日1回以上撮像するための衛星4機体制の維持がより強固なものになるとともに、将来の10機体制の確立に向けはずみがついた。
日本経済新聞 インターステラテクノロジズ、大型ロケット構想 30年代にも
日本経済新聞さまの記事にコメントが掲載されました。
1月26日(木)TOKYO FM『ONE MORNING』出演
1月26日(木)6:00~9:00放送の、TOKYO FMさまのニュース番組『ONE MORNING』にコメント出演します(7:20ごろ)。
打ち上げが迫ってきたH3ロケットや「だいち3号」についてお話ししました。
米宇宙ベンチャー「ABL」、初のロケット打ち上げに失敗 – 再挑戦に意欲
米国のベンチャー企業「ABLスペース・システムズ」は2023年1月11日、新開発の小型ロケット「RS1」の初打ち上げに挑んだが、失敗に終わった。
原因は調査中だが、第1段エンジン部で火災が発生した可能性があるという。
同社は「これまでと同じスピード感で、2号機の打ち上げに臨む」と意欲を見せる。