2023年6月の記事一覧
精度100mの月面着陸を目指せ! JAXAの月探査機「SLIM」の技術にシビれた!
アポロ計画に代表されるように、これまで人類は、月にさまざまな探査機を送り込んできた。そしていま、有人月探査計画「アルテミス」をはじめ、月探査がふたたび活発になろうとしている。
こうした中、月の科学者は嬉しくも悩ましい課題に直面している。これまでの探査で、月面の詳細な地図ができ、「どこを調べれば科学的におもしろいのか」が詳しくわかるようになった一方で、その場所を狙って正確に着陸する術がなかったのである。
この課題を解決するため、宇宙航空研究開発機構(JAXA)は小型月着陸実証機「SLIM(スリム)」を開発した。SLIMが目指すのは、精度100mという、従来とは桁違いの高い精度での着陸技術の実証である。さらに将来の月・惑星探査を見据え、着陸に必要な装置の軽量化も実現した。
打ち上げは2023年8月以降の予定で、それに先立つ6月4日、その機体が種子島宇宙センターで報道公開された。名前のとおりスリムな機体に秘められた、数々の最先端技術と未来の可能性をみていこう。
宇宙船「スペースシップツー」、宇宙飛行を再開 – 6月下旬から商業運航へ
米国の宇宙企業ヴァージン・ギャラクティックは2023年5月26日、サブオービタル宇宙船「スペースシップツー」の2号機「VSSユニティ」による、約2年ぶりとなる宇宙への飛行試験に成功した。
VSSユニティと発射に使う母機「VMSイヴ」は、2021年7月に飛行試験を行ったのち、問題が見つかり、改修が行われていた。
今回の成功を受け、同社では6月下旬にも、初の商業飛行を行い、運航を開始するとしている。
破産した「ヴァージン・オービット」の資産、米宇宙ベンチャー3社が落札へ
今年4月に破産した、米国の宇宙企業「ヴァージン・オービット」について、米国の宇宙ベンチャー3社に資産が売却されることがわかった。5月29日までに連邦破産裁判所が公開した文書などにより明らかになった。
ヴァージン・オービットは連邦破産法第11条(チャプター11)の適用を申請し、オークションを通じて資産の売却手続きを進めていた。
落札したのは、超小型ロケットを運用する「ロケット・ラボ」、巨大航空機と極超音速試験機を運用する「ストラトローンチ」、宇宙ステーションやロケットエンジンなどを開発している「ヴァースト(Vast Space)」の3社で、ヴァージン・オービットが保有していた航空機や施設、設備などを切り分ける形で取得されることになった。
韓国、「ヌリ号」ロケット3号機の打ち上げに成功 – 初の実用衛星を搭載
韓国航空宇宙研究院(KARI)は2023年5月25日、国産ロケット「ヌリ号」3号機の打ち上げに成功した。
ヌリ号は昨年、2号機で初の打ち上げ成功を収め、今回は初の実用衛星を搭載しての打ち上げだった。また、将来の運用の移管を見据え、打ち上げの準備段階から、民間企業のハンファ・エアロスペースが主体的に参加した。
東京新聞 6月2日(金)朝刊
6月2日(金)付けの東京新聞さまの朝刊に、先日打ち上げられた北朝鮮のロケットや、各国・地域の長距離弾道ミサイルとそれを転用した衛星打ち上げ用ロケットの現状などについて解説したコメントが掲載されました。