2021年2月の記事一覧
月刊『軍事研究』2021年3月号
スペースXが「スターシップ」の試験飛行を実施、高度10km到達も着陸に失敗
米宇宙企業スペースXは2021年2月3日(日本時間)、開発中の巨大宇宙船「スターシップ」の試作機「SN9」の高高度飛行試験を実施した。
SN9は打ち上げ後、計画どおり高度約10kmに到達。着陸には失敗したが、スペースXの担当者は「素晴らしい飛行だった」と讃えた。
スターシップの試作機の飛行試験は、昨年末の「SN8」に続き2回目。さらにSN10など、新しい機体による次の試験の準備も進んでいる。
スペースXが民間人のみでの宇宙飛行を実施へ、難病の子ども救う願い込め
米宇宙企業スペースXは2021年2月1日、「クルー・ドラゴン」宇宙船による、民間人4人のみでの宇宙飛行ミッションを実施すると発表した。
ミッション名は「インスピレーション4」。搭乗するのは、実業家・起業家のジャレッド・アイザックマン氏ら4人で、同氏が全費用を支払い、他の3人についてはアイザックマン氏が招待する。
打ち上げは今年の第4四半期以降の予定。宇宙機関などの宇宙飛行士の資格を持たない民間人のみでの宇宙飛行は史上初となる。
NEC、JAXAの深宇宙探査技術実証機「DESTINY+」を開発へ 2024年度打ち上げ
宇宙航空研究開発機構(JAXA)は2021年1月28日、深宇宙探査技術実証機「DESTINY+」のシステム開発を担当する企業について、NECを選定したと発表した。
DESTINY+は2024年度に打ち上げ予定の小型探査機で、ふたご座流星群の母天体である小惑星「ファエトン」の探査などを行うとともに、小型探査機による深宇宙探査を可能にするための技術実証を行うことを目指している。
NECはDESTINY+の全体システム、サブシステムの設計や製造・組み立て・試験を行うほか、とくに重要な搭載機器であるイオン・エンジンや薄膜軽量太陽電池パドルの開発も担当する。
リズミカルなダンスを踊る5つの系外惑星を発見 – 欧州の宇宙望遠鏡など
ジュネーブ大学、ベルン大学などからなる研究チームは2021年1月25日、太陽系から約200光年の距離にある恒星に、ダンスを踊るようにリズミカルに公転する5つの太陽系外惑星を発見したと発表した。
系外惑星を観測している宇宙望遠鏡「CHEOPS」の観測データから明らかになったもので、5つの惑星が「ラプラス共鳴(軌道共鳴)」と呼ばれる現象によって、18:9:6:4:3の比率で公転しているという。その一方で、それぞれの惑星の密度は予想外にばらばらで、研究者は驚きの声を上げている。
論文は同日、論文誌「Astronomy & Astrophysics」に掲載された。