「マイナビニュース」カテゴリーの記事一覧
スペースXの巨大ロケット「スターシップ」の初飛行は、“成功した失敗”だ
米国の宇宙企業スペースXは2023年4月20日、新型ロケット「スターシップ/スーパーヘビー」の初の飛行試験を実施した。
人類の火星移住を実現するために開発された史上最大、最強のロケットは、見事に空へ舞い上がったものの、ロケットエンジンが徐々に停止し、姿勢が崩れ、そして最終的に宇宙空間に到達する前に自爆した。
宇宙にすら達せず凄惨な火の玉と化すという、ややほろ苦い結果に終わったものの、それはあらかじめ予期されていた、そして未来へと続く“成功した失敗”でもある。私たち人類は、火星に向けた一歩を確実に踏み出したのだ。
インド、無人スペースプレーンの自律着陸実験に成功 – 再使用ロケットに弾み
インド宇宙研究機関(ISRO)は2023年4月2日、無人の有翼宇宙往還機(スペースプレーン)を自律飛行で着陸させる実験「RLV LEX」に成功したと発表した。
実験機はヘリコプターで上空から投下され、自らの判断で宇宙からの帰還を模擬するように飛行し、滑走路に着陸した。
ISROは再使用型ロケットの開発を目指しており、今回の成功で「夢が現実に一歩近づいた」としている。
スペースXの新型ロケット「スターシップ」が17日にも打ち上げへ、注目ポイントを解説
イーロン・マスク氏率いる宇宙企業スペースXが開発した巨大ロケット「スターシップ」が、まもなく初の飛行試験に挑む。
早ければ日本時間4月17日21時00分にも打ち上げられる予定で、ロケットはすでに発射台に立っており、最後の点検や審査も完了している。
史上最大にして最強の打ち上げ能力をもつスターシップ。その初の飛行試験の先に待っているのは、人類の火星移住という壮大な目標である。私たちを乗せ、太陽系の海を渡り、火星へ連れて行ってくれる宇宙船が、産声を上げようとしている。
中国の民間企業「天兵科技」が快挙、初のロケット打ち上げで軌道投入に成功
中国の民間宇宙企業「天兵科技」は2023年4月2日、同社が開発した「天竜二号」ロケットを、酒泉衛星発射センターから打ち上げた。ロケットは正常に飛行し、搭載していた小型衛星を所定の軌道に投入した。
同社にとって初のロケット打ち上げであり、天竜二号も初打ち上げながら成功を収めるという、宇宙開発史に残る快挙を成し遂げた。
同社はさらに大型の再使用ロケットの開発など、野心的な計画を掲げている。
NASA、月飛行計画「アルテミスII」の宇宙飛行士を発表 – いったいどんな人?
米国航空宇宙局(NASA)は2023年4月4日、有人月探査ミッション「アルテミスII」で月へ飛行する4人の宇宙飛行士を発表した。
選ばれたのは、NASAのリード・ワイズマン宇宙飛行士、ビクター・グローバー宇宙飛行士、クリスティーナ・コック宇宙飛行士と、カナダ宇宙庁(CSA)のジェレミー・ハンセン宇宙飛行士で、コック氏は女性として、グローヴァー氏は黒人として、そしてハンセン氏は米国人以外として初めて月へ飛行する。
4人は早ければ2024年11月にも、「オライオン(オリオン)」宇宙船に乗って月をフライバイ飛行し、将来の有人月探査に向けた試験や実証を行う。アポロ計画以来、約50年ぶりの有人月飛行の実現がいよいよ近づいてきた。
米宇宙企業のヴァージン・オービットが破産申請、ロケット成功も資金繰り悪化
米国の宇宙企業「ヴァージン・オービット」は2023年4月3日、連邦破産法第11条(チャプター11)の適用を申請した。売却先を探し、再建を目指すという。
同社は小型ロケット「ローンチャーワン」を運用し、これまでに6機中4機が打ち上げに成功、計33機の衛星を軌道投入した実績をもつ。一方で、かねてより資金繰りが悪化しており、新たな資金調達にも失敗していた。
世界中にインターネット提供へ、衛星通信会社「ワンウェブ」の衛星群が完成
衛星通信会社「ワンウェブ」は2023年3月26日、世界中にインターネットをつなぐための衛星コンステレーションの構築が完了したと発表した。
この日、インドの「LMV3」ロケットを使い36機の衛星の打ち上げに成功し、衛星数は計618機となった。
同社では今年末までに、全世界を対象とした接続サービスを開始したいとしている。
ボーイングの宇宙船「スターライナー」、有人飛行を7月に延期 – 認証に遅れ
米国航空宇宙局(NASA)とボーイングは2023年3月30日、有人宇宙船CST-100「スターライナー」の有人飛行試験(CFT)の打ち上げ時期について、7月21日以降を目標にすると発表した。
これまでは4月末の実施が予定されていたが、宇宙船の検証、認証に時間がかかっており、また他のロケットの打ち上げとの干渉を避ける必要もあることから、延期を決めたという。
冷却剤漏れの「ソユーズMS-22」宇宙船、無人で地球に帰還 – 船内温度は異常
ロシア国営宇宙企業ロスコスモスは2023年3月28日、無人の「ソユーズMS-22」宇宙船の、地球への帰還に成功した。
本来は3人の宇宙飛行士を乗せて帰還する予定だったが、昨年末に冷却剤漏れ事故が起き、熱制御システムが故障。船内温度が異常上昇する危険があったことから、無人での帰還となった。
ロスコスモスは、「仮に人が乗っていれば、船内温度は約50℃にまで達していた可能性がある」としている。
ロシアの侵攻で頓挫した、欧州の火星探査車が再始動 – 2028年の打ち上げ目指す
欧州宇宙機関(ESA)は2023年3月13日、頓挫していた火星探査車「ロザリンド・フランクリン」の開発について、2028年の打ち上げを目指して計画を立て直したと発表した。
同探査車はロシアとの共同ミッションだったが、ロシアのウクライナ侵攻を受け協力を中止。以来、欧州を中心とした新たな開発体制が模索されていた。
ロシアが担当していた機器などを新たに欧州で造り直すほか、米国航空宇宙局(NASA)も、2024年度予算要求において同探査車への予算を計上し、協力する姿勢をみせている。