2017年5月5日・雑記

建設が進む「深宇宙探査用地上局」(GREAT)


建設が進む「深宇宙探査用地上局」(GREAT)(立ち入り可能場所より撮影)

 先日、長野県佐久市で建設が進む、JAXAの「深宇宙探査用地上局」(GREAT)に行ってきました。

 GREATは、現在「あかつき」や「はやぶさ2」など日本の探査機との通信に使われている、臼田宇宙空間観測所の64mアンテナの後継局として建設が進められているアンテナです。アンテナの直径は54mとやや小さくなりますが、技術の進歩により受信能力などはそのままで、さらに新たにKa帯を使った大容量の通信にも対応できるようになります。

 GREATの建設場所は、現在の臼田宇宙空間観測所から北西に約1.5km離れたところに位置します。ただ、もちろんそのまま1.5km走れば着くというわけではなく、一度山を下り、別の道でまた登る必要があるため(両者をつなぐ道が途中にありますが、舗装されていない砂利道です)、両方を見て回ろうとすると少し苦労します。

 とはいえ、細く荒れた山道の先にある現在の64mアンテナとは違い、GREATは「蓼科スカイライン」と名付けられた綺麗に整備された広い道沿いにあるため、その点ではやや楽かもしれません。ちなみに、蓼科スカイラインのおかげで建設しやすいことが、新アンテナの建設場所としてここが選ばれた理由のひとつでもあります。


円形になっている部分にGREATが建つと思われる(立ち入り可能場所より撮影)

 Google Earth/Mapsでこの建設地を見るとまだ木に覆われていますが、現在ではすでに造成が行われており、仮設事務所や衛星アンテナなども設置されています。

 周囲にあるフェンスのそばまで近づくことは不可能ではありませんが、その手前に立入禁止の立て札がありますので、入るのはそこまでにしておくべきでしょう(ちなみに掲載している写真は、その立入禁止の札が立っている場所から撮影しました)。また、周囲に駐車場はなく、さらに蓼科スカイラインは車が結構なスピードで走っていますので、一時駐車する場所や時間にも注意が必要です。

 GREATの運用開始は2019年度に予定されており、これから徐々に、巨大アンテナができあがっていく様子が見られると思います。みなさんも、臼田の64mアンテナや野辺山宇宙電波観測所を訪れた際などに、ちょっと寄り道して見てみると楽しいかもしれません。


臼田宇宙空間観測所にある64mアンテナ。GREATはこれより直径が10m小さくなる

参考

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